Microsoftが初めて作るタブレット、Surfaceを勢い購入したのでレビュー。
ハードウェア
iPadと比較すると、少し横長で、ちょっとずっしりとした感じがある(実際のスペックとしては重さに大きな違いはないのだけど重く感じる)。筐体自体の作りはがっしりとしていてとても良い。画面の外側までタッチセンサが広がっていて、これがWindows RT特有の操作につながっている。
あと特徴的なのはType Cover。文字通りふたにもなる、タッチセンサによるキーボード。これはフェルトとゴムを混ぜたような何とも言えない感触。当然フィジカルにはただの板なのでフォースフィードバックはない。最初はどのぐらいの具合で打てばいいのかわからないのでミスタイプも多いけど、慣れるにしたがって徐々に精度があがってくる。もっとなれれば、ほぼ通常のキーボードの気分でうてるようになるのではないかな?
問題点としては、これはソフトウェアの問題なのかもしれないけど、時々キーボードがフリーズして何の入力も効かなくなる。一定時間たつと直る。アップデートで改善すればいいのだけど。 (追記:接触不良かも?)
電池の持ちはすごい。購入した日にはかなりの時間さわっていたのだけどそれでも一日十分に持った。朝充電していけば一日持つとおもって差し支えない。
ソフトウェア
OSはWindows RT。Windows 8はあちこちでレビューがあるのでそこを見てもらうとして、RTを一言でいえば、後方互換性を捨てたWindows 8。ARMプロセッサ用OSなので既存のWindowsソフトは動作しない。逆にいえば、Modern UI向けに作られているアプリケーションはかなり動作する。個人的にはMSはすごく良いものを作ったと思う。AppleがiPhoneのiOS作成の時にやったことと同等のイノベーションがあるといっていい。Modern UIは今までのアプリに当然のようにあった、いろいろなUIを全部捨ててしまった。こういう時のMSの体力というのはすごい。Windows Storeもある程度品がそろっていていろいろ楽しめる。
ブラウザのチョイスは今のところなくて、IE10を使うしかない。しかしまあIE強制使用で独禁法違反とかなんとか言われて、そうこうしている間にAppleとGoogleはそれぞれのOSでSafariやChromeしかまともに使えないように深い階層でブラウザを統合、一周してようやくIEがそうする、というのはなんだか皮肉だなぁ。
ざっくりまとめ
MSが鳴り物入りで投入してきただけあって、iPadにも十分対抗できる仕上がりになっているとおもう。
昔からMSは人のアイデアを発展させるのが得意だったけど、ユーザーインターフェイスという観点でいえば、iOSを意識して作られたModern UIでMSは一気にAppleとLinuxを抜き去ってもっともラディカルな立ち位置になった。これからどうなるか楽しみ。
追記
とひとしきりほめた後、ネットを検索してみるとGizmodeのレビュー http://www.gizmodo.jp/2012/10/surface_rt.htmlがあってけっこう悪い評価だったのをみて悲しくなった。
後方互換性を気にするならもともとRT版という選択肢はないだろうに。最初からわかっていることなんだからそこを大きく言う意味がわからん。
MSほどの大企業がAppleに対抗するために、Appleの切り開いた道に多少の自由度、という程度に収まっているAndroidとは違って、タブレットに慣れた人ですら戸惑うような、ラディカルなUIを選択して牽引していこうとしているのだから、多少はバギーでも十分評価できるとおもうのだが。iOSなんて最初コピペできなかったんだぞ。